山下塾では毎週棋譜並べの宿題を出していて、金曜日までに自分の好きな手と勝着を塾長に報告させる。棋譜並べは10級以下の塾生も可能な範囲で並べさせる。つい先ごろから棋譜並べで、もう一味勉強になることを取り入れ始めた。宿題の棋譜で手の広い局面、一人一人の感想が別れるであろう局面で、塾生に「君なら何処に打ちたい?」と聞くのである。高段者になれば一段落したら碁盤を一通り見るが、弱いうちは手の赴くままズラズラと打ち続けることが多いので、手を止めて局面を見る癖をつけてもらいたいからである。付き添ってきている保護者にも自分の感想を言ってもらうことにしている。個性的と感じた着手が出ると嬉しくなる。上達に効果が出るような気がしている。

女流棋士ではこのところ仲邑菫さんのことが度々ニュースで取り上げられているが、もう一人上野愛咲美さんの竜星戦での活躍が見事である。早碁とはいえ全棋士参加の竜星戦で決勝まで行ったのには驚いた。昨日会った大竹英雄名誉碁聖が、「碁盤を広く使っている」、と上野さんを激賞している。碁盤を広く、とは大竹さん一流の表現だが、力が強いのは吃驚する。この棋戦で元名人、タイトルホルダー二人を負かして決勝に上っている。十段戦予選では某九段を122手で潰している。決勝の碁でも相手の石を取りに行ってからの迫力は満点である。188で15の十四に打っていたら一力さんの大石を殺しているようだ。中村菫さんに期待するところは大きいが、実績を上げる上野さんの活躍で囲碁の人気を盛り上げてくれると、こちらの期待も大きい。

王銘琬さんの招待で日本棋院の棋士懇親会に初めて参加した。若手棋士の10秒公開碁、武宮さんのダンス、純碁指導、と2時間で盛り沢山の会である。メインは囲碁界に幻冬舎を披露する場としての色合いが強い。幻冬舎から今月全国書店に配本した「10分で打てる囲碁」定価2000円を出席者全員にプレゼントされた。初めてでも打てる囲碁セットを相当部数作ったようである。この本イコール囲碁ファン増になるので期待するところは大きい。幻冬舎は取次に委託するのでなく全国特約店4200店に営業を掛けると聞いている。名刺交換したエデュケーション局の部長から大量に作成した、と聞いた。今がチャンスと見たのであろう。異業種からのプッシュはこれまであまりないことで期待感は強い。

山下塾では毎週棋譜並べの宿題を出している。金曜日までに宿題の棋譜の中で各人一番好きな手と勝着を塾長にメール報告することになっている。先週土曜日に棋聖戦リーグ戦の一局を選んだが、塾生に配信するのを忘れていた。塾生の母親から未だ宿題が来ていないと知らされて、木曜日夜にメールで送った。一日で棋譜の暗記と感想は無理と思ったので、今週は塾長が棋譜の感想を話すことにした。宿題棋譜を並べていて次の着手で個性が出る局面があったので、その場で塾生皆の打ちたい手を聞くことにした。ついでに付き添いで会場に来ている親にも打ってもらった。そもそも宿題を出し忘れてのことだが、棋譜を並べてこの局面でどう打ちたいか一人一人打たせるのも面白い勉強法と感じた。怪我の功名で面白い発見をした。
朝食

S学院小アフタースクールの囲碁指導では今年から囲碁を始めた子も19路盤で勝ち負けの形がつけられるようになったのA、Bクラスに分けリーグ戦を打たせることにした。Bクラスオール互先でBクラス有段者から20級まで棋力の幅があるのでハンデ戦にした。リーグ戦の結果は表にして張り出す。ベルが鳴っても終局出来ないのはそれまでの局面をスマホで写真に撮り次回にその局面を再現して打つ。ひとり9局を打ち終わると、棋力はかなり上がっているだろう。
朝食

都内の小学校囲碁授業3回目である。1年生の3学期から始め、年間6回の指導予定なので、勝ち負けが生徒達で出来るように最初から純碁の指導にしている。外で遊べないときに対局するように最初に25局記入できる個人カードを配ってある。クラスの二人が2枚目の対局カードを使っている。また二人が子供囲碁教室に通い出している。毎回次の指導日まで12問の宿題を出している。授業中に4問まで解かせて出して、あとの8問は担任の先生が採点する。担任の先生は囲碁を打たないので答えを渡してある。このクラスでは日記を付けさせているので、囲碁授業があった日は囲碁のことを書く生徒がある。日記の中に山下と担任の先生と囲碁を打ちたいと書いてある。担任の先生に純碁のアプリとINGO(ingo-web)での対局を奨めている。担任の先生が囲碁を趣味にしてくれれば、と目論んでいる。
朝食

若松幼稚園では敬老の日を記念して囲碁大会を記載する。元気な高齢者と幼稚園児が一緒になって囲碁を楽しむ会である。ビンゴを模した「ボンゴ」ゲームでわいわい盛り上げ、選ばれた親子が石取りゲームを対局し、山下と園児NO,1との対局をする。園児との対局では園児の良いところを見せるのだが、今年のNO,1は強いので2子置かせた石取りゲームにした。加減するどころか全く勝負にならずに園児の勝ちとなった。いつもの囲碁指導では終了時に論語の素読をやる。素読させる前に白板にひらがなで書くのだが、今日は本物を見てもらおうと「義を見て為さざるは勇無きなり」、とフリガナを付けて書いて園児に大きな声で呼んでもらった。年齢を超えて楽しく囲碁で遊んでいるのを保護者に見てもらえたと思う。

アイウイル経営者研修の囲碁講師を務めて10年になる。今日の8時半から開始する講座に向けて28期、29期の受講生40名は昨夜から既にセミナーセンターに宿泊している。さてセミナーセンターに行くまでの足のことだが、昨夜から台風15号上陸を見越して始発から8時まで計画運休となったのでJRは利用できない。昨夜のうちに近くのビジネスホテルに落ち着くか、朝早くに車を運転して向かうか迷った。家族は台風の真最中に初めての道を運転するのは危険、と心配するが、朝5時過ぎに千葉に上陸予想らしいので7時にはピークは収まっていると判断した。幸い外環が京葉道路につながっているので時間は読みやすく、一般道で木の枝が散乱しているくらいで予定時間に到着したのは芽出度かった。さて多面打ちをして受講生Tさんが強くなっていることがわかった。おそらくこの10年間教えた受講生の中で一番の成長であろう。18か月間に開講される経営者研修講座は取り組む課題が多岐にわたる。仕事をしながら定期的に受講し、各科相当量のレポートの提出を要求される。囲碁だけに時間を取るのは難事である。にもかかわらずTさんはよほど囲碁に時間を使ったのだろう。二段に認定した。全く初心者のビジネスマンが短期間で囲碁を一生の趣味にしてくれた。これには感激した。

若松地区の子供囲碁の会「いごっち」を発足当時から指導していたUさんが体調不良で来られなくなった。世話役のHさんから、だれか指導者を紹介してほしいと頼まれたのは半年ほど前のことである。ただ囲碁が好きなだけではなく子供が好きな人でなければ、と思いついたのは入門講座を3年前に受けたAさんである。すっかり囲碁にハマり今は三か所の囲碁クラブに入っている。以前に子供野球チームの世話をしたこともあると聞いていたので彼を紹介した。行儀作法に厳しいので新風を吹き込んでくれると期待していた。大人の指導者が4人いて意見調整が難しかったのか、Aさんから引きたいと相談を受けた。無論無理する事柄ではないので、どうぞと話した。世話役HさんからもAさんが辞めた旨の報告が来た。囲碁がわかっていてなお且つ子供が好きな人はなかなか見つからないものだ。

若松幼稚園年長児囲碁の指導は7月初めにやってから今回まで約2か月空いている。久しぶりに見る園児は心なし背が伸びている。囲碁の理解は如何に、とペーパーテストをすることにした。ここは保護者囲碁の会の会員が毎回3人サポ―トに来てくれるので園児一人一人のフォローが出来る。簡単なアタリの問題を12問出した。早い子は10分もかからず「ぜんもんぜいかい」とスタンプを押せる。意味が解らないと言う子もいる。今回は全員に「ぜんもんせいかい」のスタンプを押そうと決めているので、サポート3人と一緒にわからない子一人一人に付き添った。ちょっとヒントを言うと次々と解いていく。「ぜんもんせいかい」のスタンプを見て保護者はどんな感じを受けるであろうか。

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