山下塾生は囲碁だけでなく色々のことに挑戦している子が多い。野球、サッカー、相撲、ピアノ、英語、学習塾等など。それぞれ活躍しているのは耳に入ってくるが、実際に見に行ったことはない。INGO(ingo-web)の中の会話がきっかけで、今日ケンタ君のピアノ伴奏を聴きに行くことになった。事の始まりは、湊小湊っこ音楽祭の中で歌う3年生の合唱曲のピアノ伴奏者にケンタ君が名乗り出たことだ。家の電子ピアノで左は一本指で弾いていただけのケンタ君だが、オーデションを受けて選ばれてしまった。事の続きであるが、そこからが大変だった。指一本で弾いていたケンタ君を両手で弾かせなければならない。当然楽譜は読めない。強力な助っ人は音大ピアノ科出身の塾生レン君のお母さんである。助っ人の状況把握と指導が適切で功を奏した。出張指導2回と本人の猛練習、前日行われた学校でのリハーサル立ち合い1回で一応の形は整った。勝負色である赤いセーターに身を包んだケンタ君は滞ることなく、むしろ合唱を引っ張る伴奏をして大任を果たした。小さいことながら自ら挑戦して成果を挙げた今回の成功体験は、ケンタ君に何かをもたらしたことだろう。

薬円台の囲碁サークルには年に2回くらい指導を頼まれる。普通、指導と言えば教わると言う感じで迎えてくれるのだが、この会のメンバーは自分を負かしに来る人ばかりである。10人を相手にするのだが、こちらも負けるものかと打っている。負けた人にはプロ棋士の扇子を進呈している。今日は3本用意して行ったが、1本の進呈で済んだ。この会は、打ち終わった後の有志との懇親会が面白い。いつもの中華料理店でなく今回は蕎麦屋で一杯である。居酒屋がこれほどないときは、お酒を飲むのは、蕎麦屋と決まっていた。板わさで蕎麦湯割りは何よりいい。今宵は大腸のポリープを取ったばかりなのでお酒は控えたが、話題は延々と尽きない。何時ものことながら楽しい碁仲間たちとの一杯は捨てがたいものである。

山下塾生のOBのなかで結婚し家庭を持つ人が増えてきた。シュンスケ君から二人目の子供が誕生したとメールを貰った。上の子は英国出張中に誕生したので来年は幼稚園児で、入園する幼稚園が決まったので、そろそろ囲碁を教えたいと考えているそうである。教え方によるが、年少組でも囲碁は打てるようになる。中野区に住んでいるシュンスケ君は通える範囲の囲碁教室を探したところ、以前緑星学園が中野に在ったのだが、今は無くなったので何処か適当なところはないか、と問い合わせてきた。まずは囲碁に興味を持つか、ルールの基本でもある囲めば取れる、を教えることを勧めた。そのためのアタリの問題を送った。中野からは山下塾にはたまにしか通えないが、山下塾に通ってきていた子供の子供に囲碁を教えることになるとは、年を取ったと我ながら吃驚している。
話題のマンション

棋書は以前よく購入していた。全集物は高額のものでも出版されると買っていた。最近ではAI囲碁が囲碁の価値観を激変させているのでAI棋書の類はよく読む。安斎伸彰さんの「囲碁AIが変えた新しい布石・定石の考え方」は面白かった。読みだして1冊読み切り、次いで主な局面は碁盤に並べて頭に入れようと思った。安斎さんは昨今の棋譜をよく勉強されてるのが分る。読み易かったのは編集の力によるところが大きいと感じた。目次の構成と見出しの面白さである。評価が良くなった打ち方(人間編)、悪くなった打ち方(人間編)、評価が変わった打ち方(AI編)、新しい打ち方(AI編)に構成されている。出版されているあと3冊の安斎さんの著書に眼を通してみよう。
著書のなかで打ってみたい手

年に一度船橋市からの健康診断は義務と思って受診している。結果はほぼ問題はなかったが、検便で潜血反応が出たので内視鏡検査を受けることにした。有難いことに山下塾生OBに内視鏡の専門家ユタカ君がいる。記録を辿ると慶應病院腫瘍内科で研鑽中の2年前にも東京女子医大八千代医療センターに来て施術してもらっている。現在は救急にいるとのことだが、やり繰りして検査日を決めてくれた。手術台に乗っているのに先生と呼ばれるのはこそばゆい。先生にとっては手馴れた検査のようで囲碁の話をしながら至って和やかなものである。ポリープを4つ取り30分ほどで終わった。ユタカ君は、いやユタカ先生は米国や慶應病院で内視鏡手術の研鑽を積んで来たので難しい手術を頼まれる存在のようだ。大腸、食道の大きながん細胞を小さなメスで切除する手術は千葉県内にもそう何人もいないようである。プロとしてますます成長しているユタカ先生は山下塾の誇りである。

東邦」大学祭”囲碁フェスタ2018”は、東邦大学の学生食堂を無償で借り切って、参加者130名で開催された。好天気に恵まれ、習志野キャンパスで開催されている大学祭も賑やかで、囲碁フェスタに参加した子供たちも試合の合間にイベントや模擬店を楽しんでいた。大学祭と子供囲碁大会の組み合わせは双方に好影響を与えるようで、これからも広げたいと思っている。囲碁フェスタの中の山下盃の参加者は今年は少なく6名で、そのうち山下塾OBは今年大学4年生の3人であった。OB同士の大会での対局は小学生以来12年ぶりだが気合が入り、対戦は見応えがあった。優勝は松本さんで女流プロ志望の力を見せてくれた。副賞の陶板を渡すときに、孔子の「其恕乎」から取った「恕」の意味を話して渡した。大学生3人のうち二人は既に自分の進む道を決め、残り一人はもう一年学問に取り組むと言う。それぞれ成長する姿を見せてくれて心強い。

いつも参加者は20数名だが、今日はどういうわけか11名と少ない。講義もそこそこに10面打ちとなった。いつもの9子局でなく名人戦第7局の34手まで並べて、決め碁にした。この碁は34手まで定石が二か所出てくるので、布石の解説がし易い。互先での指導碁にはコツがある。両アタリ、ゲタ、シチョウ、ウッテガエシ、オイオトシ、攻め合い、大模様の消し方などの形を作っていく。その形でヒントを言って正解手を見つけて貰う。一手でもヤッタと言える手を打てれば次に繋がる。この会の世話役は倉持さんである。前日に当日使う資料のデータを送ると、参加者数だけプリントしてくれる。会場の予約、当日の設営をやり、自分の囲碁の勉強はそっちのけで世話役に徹している。倉持さんは園児の囲碁指導のサポート役でもある。この人がいるので船橋幼稚園の囲碁の理解は深いと感謝している。

フリースクール中学校の囲碁指導の目標は、生徒が11月と来年3月の東京都中学校囲碁大会に参加することである。部員3人のうち四段の千葉県K君は千葉県の大会に出場するので17級と19級の二人が今度の日曜日の大会に参加する。前回17級で参加した女子生徒は大分強くなったので一桁級でエントリーするように進めたが、今回は勝ち越したいと言うので15級での参加とした。大会参加は勝ち負けより同年配の他校の選手とどんな話をしたかが楽しみである。「一局打てば百年の知己を得る」ような体験をしてくれたら何より嬉しいことである。

山下塾OBマサシ君の結婚式、披露宴会場は、かつて彼の両親が式を挙げた学士会館である。マサシ君は小、中学生の時に山下塾に通っていて、高校、大学は同窓と、極めて縁の深い存在である。披露宴では乾杯の音頭を頼まれていた。披露したいことや教訓的なことは山ほどあるが、乾杯の発声ということなので長い話は禁物である。彼は人と違う考えをして自ら頭をぶつけて行って成長してきたこと、今日手元に配られた二人のメッセージに、これから手を取り合って二人で歩む、と書かれてあったので、これまでとは違う成長を楽しみにしている、と話し乾杯とした。テーブルの両サイドは早慶囲碁部出身者で話は尽きない。乾杯の挨拶をしたことで両家の親族から次々と挨拶を頂き、新しい出会いや久闊をを楽しんだ。同じ塾生OBのM君が山下塾の様子を見せに近いうち交際相手を連れてくる、と言っている。こっちの方もも楽しみだ。

14年前から年長組に囲碁指導をしている神明幼稚園の保護者の間に囲碁の認識が高まったようである。ここでは3年前に保護者囲碁の会が発足し、月に二回集まっている。保育時間が終わってから閉園時間まで保育室を開放してくれるという幼稚園からの話を受けて、保護者囲碁の会のメンバーが他の保護者に呼び掛け囲碁の時間を作ることになったようである。来週、保護者囲碁の会の親子が参加してテスト会を開き、その反応によって定期的な集まりにするかを決めると言う。以前かなり長い年数、若松幼稚園で保育時間が終わり送迎バスを待つ間に囲碁の時間を設けていたことがあった。指導者が二人で園児の相手をしていたが、、その指導者の都合がつかなくなり止むなく取りやめになった経緯がある。神明幼稚園ではどのように進むか興味深い。
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