茶華道センター囲碁入門教室は3回の指導である。第一回目は9路盤、2回目は13路盤、3回目で19路盤で打ってもらうカリキュラムを組んでいる。1回2時間で3回目に19路盤はいささか乱暴であるが、19路盤で打てたと感じてもらうのである。これまでと違うのはシニアの受講生もスマホを使いネットに抵抗がなくなったと感じたことである。初日に囲碁クエストとINGO(ingo-web)を紹介したら、2回目には数人が囲碁クエストをインストールしてきて、これからどうするの、、と聞いてくる。また二回目には何人かがINGOの会員になっている。入門教室卒業生の受け皿となっているスクエア囲碁会の入会説明を5年前卒業の秋山さんが務めた。かなりの人がスクエア囲碁の会に入会する見込みである。

S学院小のサマースクール囲碁の指導で3、4年生は50名である。50名中囲碁を打ったことのある生徒は9名。50分2回の授業で9路盤を卒業させるつもりである。まずはアタリの理解である。相手の石がアタリで自分の手番ならば取る、、自分の石がアタリで手番ならば逃げるか、まわりの相手の石が取れないかを考える。この問題集を数多くやればアタリは理解できる。次いで終局の理解をさせることが必要である。終局の手前で手伝って終局の局面を作り地を数えさせ、どちらが何目勝ったか示す。一局でも終局出来た、と実感させることで打てたと思ってもらえる。今回はスポンサーの大塚製薬提供の9路紙碁盤とカロリーメイトの試供品を
プレゼントした。サマースクールの中で囲碁をやってよかったと思ってもらえたら嬉しい。

リョウマ君は若松幼稚園で囲碁を覚え、卒園してから「いごっち」に入って囲碁を続け、今年中学1年生で日本棋院二段を認定されている。お母さんは若松幼稚園保護者囲碁の会に入っていて、妹は「いごっち」、お父さんはリョウマ君に刺激され囲碁を始めいま三段の腕前である。文字通り囲碁一家である。おそらくご家庭では会話が途切れないことであろう。お父さんとリョウマ君が初めて船橋市・鎌ヶ谷市の親善囲碁大会に参加した。その折リョウマ君の碁を観て基本的なところが分かっていないと危惧していた。お母さんからリョウマ君が最近勝てないので山下塾に来ていいか問い合わせがあった。同じくらいの棋力の対局を見たほうが助言しやすので、ケンタ君に付き合ってもらい二人の碁を一局観た。種石とカス石の違いと対応を教えた。そのあと九子の指導碁は負かされた。多分リョウマ君のスランプは吹っ切れたと思う。

船橋茶華道センター主催の囲碁入門講座の二回目である。参加者とも馴染みが出てきて個人的な話もできるようになった。ミドル年代の女性の参加理由を聞いてみた。そのうちの一人、都内小学校の先生である。生徒から囲碁クラブを創ってほしいとの要望があって、自分は全く知らないのでどんなものか知っておきたいとのことである。大学での囲碁授業のこと、7月末から8月にかけての小中学校、高校の囲碁全国大会のことなどを説明した。教育上の効果も期待できるので是非囲碁クラブを立ち上げて欲しいとお願いした。一人の先生に囲碁の面白さを知ってもらうことが、子供たちへの広がりになるのは望外の喜びである。囲碁は簡単に打てるようになり、そして面白いと受けとってもらえるのが最初の一歩である。

恒例となった船橋市茶華道センターの囲碁入門講座である。参加者は小学生1名女性4名男性9名の14名である。女性は全員まったくの初心者である。一番強い人は10級くらいかと思われる。女性のKさんは新しい趣味を探していて日身さんから勧められて参加した。講座の後昼食をはさんで我が家にやってきた。難しいので今日の1回で辞めたいと言っている。励ます意味もありKさんと9路盤で一局打ったら、なんと日身さんがKさんに私と打とうと言いだした。家事については専業主婦というよりプロ主婦と言っていいくらい、ハミングしながら一日中動いていて、囲碁のような時間の取られることには目を向けたことがない日身さんが、である。。二人の対局を見ていたら、これが初めての対局と思えない手を打っている。「門前の小僧習わぬ経を読む」ではないか。囲碁をKさんの新しい趣味にするばかりでなく、日身さんの趣味にもしなければ、と真に思った。
始めて打った終局図

千葉県少年少女囲碁連盟では年に10回ほど少年少女の囲碁大会を催す。開催できる大きな会場を予約するには、2か月前に申込み、抽選で決まることが殆どである。2か月前では準備に時間が足りないため、先行予約できる施設でなければ大会を企画できない。このところ公民館の先行予約が取りにくくなっている。そんな状況の中で子供囲碁大会には大学の施設を使わせてもらうのが一番有り難い。当連盟では副会長の入江さんの働きで、東邦大学の学生食堂を借してもらい年に2回、大会を催せるようになった。それでも足りないため、一昨年千葉経済大学の理事佐川さんに依頼して、同じく学生食堂を使わせてもらえるようになった。来年から定期的に開催できるようお願いに出向いたところ、格別な配慮をしてもらえることになった。千葉経済大学では昨年から囲碁授業が始まっている。大学内で開催する子供囲碁大会は教育現場での囲碁の広がりの一要素であり、誠に有難いことである。

囲碁は強いほうが勝つゲームであるが、ハンデが適正であれば棋力の差があっても勝負を楽しめる。ハンデが細かく設定できるのは囲碁の魅力の一つである。ハンデの付いた碁は置碁という。置碁で上手(うわて)が負けても気持ちが良いのは、置き石の力を生かして下手(したて)に押し切られたときである。だが、上手が負けてはいけない置碁がある。ひとつは下手が棋力以上に置き石を置いていると思い、上手の打った手に反発しないで言いなりに打って勝とうとしているときである。上手としては囲碁は知的格闘技であるから何も戦わないで勝たれるのはつらい。負けてはいけない置き碁のもう一つは、上手が「碁にした」局面から負けることである。「碁にした」とは、例えば4子置いたハンデが下手の判断ミスや着手ミスにより4子のハンデが3子になり、2子になり、ハンデが無くなった局面を言う。ハンデが消えたら棋力の差があればそのまま押し切らなければいけない。それを逆転されるのは上手として恥ずかしいことである。FT会の対局を自宅ですることになって、中務さんに逆転負けをした。悔しさはしばらく残る。

第8回首都圏カップが神奈川県の横浜市技能文化会館で開催された。そもそもは千葉県と埼玉県の子供対抗戦から発足し、翌年東京都、神奈川県に呼び掛け四都県こども大会に発展した。その後思い切って首都圏カップと冠をつけ、山梨県、栃木県、群馬県、茨城県も参加することになった。さらに首都圏ではないが、静岡県にも呼び掛けて9都県のトップクラスの子供が参加している。「首都圏カップ」」発足の音頭をとった千葉県は、このところ上位4チームに入れず歯がゆい思いをしていた。今回、メンバーが揃ったのが効奏したか3位に入った。次回の幹事県は千葉県であり、来年へ向けて弾みがついた。

最近の中高校生の棋力のレベルは一段と上がっている。高校生の大会で優勝している林さんがアマの本因坊戦で昨年優勝しているし、今年は昨年優勝の栗田さんが名人戦で大関さんを破り名人になった。高校生に続く中学生もアマトップのレベルにかなり近づいていると感じられる。全国大会で中学生の試合後の検討を観ていたら、最近流行りの早めの三三入りの変化で下図の変化を二人で並べていて33で12の一に打つべきだった、と述べている。黒に38を利かされては白面白くないとの意見である。最近は世界のトッププロの棋譜が直ぐにみられる。中高校生のネットでの囲碁研究はますます進むであろう。

第39回文部科学大臣杯少年少女囲碁全国大会中学生の部に末原蓮君が出場した。昨年第3位になったので今年こそ、と優勝を目指していた。昨今、中高生のレベルが格段に上がっているものの、蓮君が優勝する確率は3割くらいはあると観ていた。枠抜けしたあと1回戦は順調に勝ちベスト8に残り、二日目に進んだ。午前中、八千代市の親子入門講座を終えて、決勝戦の3時には会場の日本棋院に行く予定であった。全国大会ともなるとネットで逐一結果を発表している。ベスト8からの一回戦で蓮君が負けたと分かった。講座をやめて棋院に行きたかったが、そうもできない。7位と結果が出たところで棋院に着いた。「強かったの?」と聞くだけであった。あとで知らせてもらったところによると、負かされた相手の紅林英龍さんは中国棋院二段の梅艶三の息子さんで関西棋院の棋士と中国で対抗戦を打っている実力の持ち主である。因みに小学生の優勝者は沖縄の川畑拓也君である。個人戦団体戦を通じて感じたのは、地域差が無くなったことである。これはAI囲碁、ネット対局による勉強が棋力向上に繋がっている証であると思う。AI囲碁、ネットでの勉強を上手く取り入れる工夫があれば一人で強くなる子供が出てくるかもしれない。
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