今回で4回目になるスクエア囲碁入門講座の3日間を終えた。募集してすぐに定員20名に達しキャンセル待ちが10名になった。男女比は半々である。これまでにない反響である。おそらく今年になってから囲碁関連のニュースがメデイアで取り上げられているからであろう。初めてですか、と聞くと殆どの人が手を挙げたが、昔有段者だった人や他の囲碁教室に通っている人を含め既に打てる人が何人もいる。経験者が初心者に教えている風景は和やかである。入門教室なので初日9路盤、二日目13路盤、三日目に19路盤とカリキュラムを作っておいた。初日はルールとシチョウ、ゲタ、ウッテガエシと石を取るテクニック、二日目にはもっぱら対局、三日目には「眼」と生き石、死に石の講義を組んだ。全員19路盤で打てているから取り敢えずは「囲碁を打てる」段階まで進められたことになる。続けるにはここのスクエア囲碁教室のほか各公民館囲碁サークル、船橋、津田沼、薬園台の碁会所のほかインターネットで打つ方法を説明した。半数くらいは続けてもらえるようだ。

明日の山下塾は休みとした代わりに一日囲碁イベントをしたら、と塾生保護者に提案した。6、7年程前は夏休みに雑魚寝一日合宿をしていたが今日は久しぶりの山下塾のイベントである。内容はすべて保護者が企画運営をしてくれた。個人戦、団体戦、昼食会、おやつ、ゲームの時間と子供たちが喜ぶ内容が組み込まれていた。今日から山下塾では対局前に黙想30秒を取り入れた。上のクラスの塾生はすぐに身に付けてくれた。個人戦、団体戦ともに何も手を出さずに対局を見回るだけなので下のクラスの塾生には局後に一言二言指導できた。シチョウの考え方、自分の地への手入れ、相手の地に打ち込むタイミング等々、塾生に合わせた指導ができた。昼食の時の塾生から塾長への質問、ゲームでは山下塾と塾長に関する問題を多く用意していたので塾生の山下塾への理解が進んだ筈である。子供たちが乗ってくる進行には敬服した。楽しい山下塾であった。TさんMさん始め手伝ってくれた保護者全員に感謝。
船橋囲碁指導者の会、FT会が台風が千葉県に上陸する日とかち合った。来られる人だけ集まろうと連絡をした。約半数の6名が津田沼囲碁クラブに集まった。160席のこの碁会所も台風接近で30名ほどしかいない。「雨が降ろうがやりが降ろうがこんな日に碁を打つようでなければ強くなれない」と言いながらの対局である。FT会の流れで「美人杯」に出場するスクエア囲碁の会のメンバー二人に特訓をすることに決めて大雨のなか囲碁クラブに来てもらった。大会向けに向う先で何局か指導した。二人とも守りが中心で攻めることが浮かばない。こんな時には絶好な攻める局面を作るのである。攻めるに絶好な局面で守りの手を打った時「さあ攻めて」と考えさせるのだ。これで二人の碁が守りから攻める碁に変わればびしょ濡れになって来た甲斐があると言える。

菊ちゃん祭りと銘打った菊池康郎さんの87歳の誕生祝会の案内を受け取った。日曜日の昼に山手線で原宿通りを観て渋谷に降り立つと若い人の塊に圧倒された。菊池さんはわけあって一時囲碁から離れていたが、「囲碁を小中学校の正課に」を掲げ全日本囲碁協会の理事長として復帰をしている。アマ四強の名前になじみのある囲碁ファンとしてはうれしい限りである。今や囲碁が強くなりたい子は洪道場に向かうが、ひと昔前は山下敬吾さんはじめトップ棋士が育った緑星学園と決まっていた。緑星学園と言えば正座と対局前の黙想が決まりであった。山下敬吾さんは二日制のタイトル戦で正座を崩さない、と有名である。正座になれると胡坐がかけなくなるそうである。山下塾では私語しないが決まりであるが小学低学年にとってはなかなか守られない。対局前の黙想を次回から取り入れたらと思い定めた。

千葉県の公立中学で囲碁部の伝統校は船橋市立八木ケ谷中と柏市立柏4中である。この前の千葉県大会に八木ケ谷は3チーム柏4中も3チーム参加してくれた。その時柏4中の校長先生に夏休みに特訓に行きます、と約束していた。この中学校の先輩で山下塾OBの遠入君が母校に来て手伝ってくれた。簡単な問題から難度の高い問題を約100題用意していった。その答えを観て囲碁部員の棋力かわかる。多面打ちして選手候補になりそうな生徒が分かった。校長先生と担当の先生に来年の県大会で代表になり全国大会に出場するのを目標に掲げるように進言した。来年柏第4中学校に入学する柏第8小と名戸が谷小の6年生が明日囲碁部を見学に来て囲碁を体験すると聞いて9路の紙碁盤セットを寄贈した。指導は遠入君にお願いした。柏4中に囲碁部の伝統が続いている理由の一番は、こういう縁の下の行為であろう。来年度も新入部員が入ってくれるに違いない。

船橋市文化・スポーツ公社の茶華道センターで囲碁入門教室が3回にわたり開催される。募集20名のところすぐに定員に達しキャンセル待ちが10名に及んだ。こんなことは初めてでAI囲碁や井山さんの七冠により囲碁を学びたい人が増えた、と推測される。これまでは入門講座といってもかなり打てる人が申し込んでいた。今回は十九路盤で打ったことがある人が4人くらいで、これも珍しい。教える側からいうと同じ問題をやって貰えばよいので棋力の差がないほうが有り難い。一人アタリの概念がなかなか理解できない方がいた。「私が一番駄目な生徒」、などとつぶやかれると、これは集中的に説明して解ってもらわないと、と思う。一人でも難しかった、と思わせては面目がないと考えている。あと二回で十九路盤で終局まで打てるようにしてみよう。

見学者二人に加え土曜も授業があって普段は来られない私立中学生が二名、その上保護者囲碁の会が発足して碁盤石が足りなくなってきた。これは嬉しい悲鳴である。毎週碁盤石を自宅から運ぶのは難儀ゆえ、この施設を教室に借りた直後から管理組合法人に碁盤石を寄附してそれを使わせてもらう、という形にして施設のロッカーに保管が可能になった。今日見学に来た子の父親が、子供が始めたので自分も囲碁を始めました、と言うので塾生の父兄と対局してもらった。「囲碁クエスト?」と聞くとそうです、と返ってきた。最近大人が囲碁入門をしたあと必ず「囲碁クエスト」を薦めている。囲碁普及に「「囲碁クエスト」が果たしている役割は大きい、と今更ながら感じる。見学者の親から、うちの子はどうでしょう、と聞かれたので子供がやりたいと思ったかどうかです、と答えておいた。やりたいと言って来たらこの子なりの入塾についての話をしなけらばいけない。

南本町小学校には倉持君兄妹と太田君が放課後子供教室で囲碁を打つのに碁盤石が無いと聞いたので二組寄贈した。ほかに船橋幼稚園で囲碁を習った子が何人かいるので碁盤石だけ寄贈しただけで指導に行かなければ臥龍点睛を欠く、と思ってボランテイア申請をしておいた。教室の入り口で靴が揃っているのを観て嬉しくなった。先生に、これは「出船の精神」と言います、と解説しておいた。いつもは20名以上いるそうだがお盆が近いので10名ほどである。囲碁を習いたい子供は8名だったがその中に一人囲碁に興味を示す子がいた。例によって問題をやらせてそれを考えている姿を観ていると分かる。倉持君の母親に山下塾への見学を言っておいた。初心者が増えると山下塾の進め方が厄介になるかもしれないが来年南本町小学校囲碁チームの強化につながるであろう。

山下塾と並行してで神奈川県の強豪高校生3人と千葉県高校生2人、中学生1人、小学生1人、慶大囲碁部OB2人で囲碁交流会を催した。隠れた目的は現塾生に真剣な対局姿を観てもらうことである。ホワイトボードで区切ったところで9人が真剣に対局し、対局後の感想戦では他の対局者を憚り離れたところで小声でやり取りしている姿を見てもらえた。空気伝染したか、しゃべりながら打っていたり、部屋を駆け回っている子もいない。塾生を帰し昼食後は15路盤でのトーナメント戦とした。この強いクラスでの15路盤は初めて観るが15路とは思えないほどの変化が生じている。時間のないときに15路対局の可能性は大きいと感じた。
青少年会館の夏休み小学生囲碁講座は「いごっち」の母親が3回とも3人のサポート体制を組んでくれ、3グループの担当を務めてくれたので、26名全員と指導対局できた。全くの初心者の子には一対一で打ち13路盤と19路盤の子供たちとは二人でチームを作ってもらい対局した。全員と対局すると一人ひとりが囲碁をどの段階まで理解しているかわかる。また3日間とも問題を出したが、問題への食いつき方を観て囲碁に向いている子が何人か見つけられた。「いごっち」の案内書を配ったので入会する子も何人かいるだろう。一組の兄妹が山下塾見学を希望した。兄の方は囲碁が好きになるタイプの子なので見学に来るようにした。

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