都内の定員120人の私立中学校から囲碁指導の依頼が来た。囲碁将棋チェスの部があったが独立して囲碁部を作りたい、と校長から電話。どんな様子か学校に行った。廃校になった小学校の一部を借りて校舎にしている。校長室は〇〇ルームと表示してある。「それ活」と言って部活動のようにやりたい活動を生徒が選び参加させる、その活動の一つに囲碁を新しく入れるというのである。全校生徒に囲碁の先生が来るから興味のある子は〇〇ルームに集まれと呼び掛ける。何人来るかわからないとの話である。時間になったら4人来た。M君は入段近い、T君は19路で何とか打てる、D君は9路で打てる、O君は全く初めてながらゲームに向いている。何とか4人いるので東京都の中学校の団体戦に出場できる可能性はある。校長に話したらそれは素晴らしい夢だ、と言う。学校は「子どもが創る、子どもと創る学校」とある。自由な雰囲気が気に入り月に1回囲碁指導に行くことにした。今年は無理だが、来年、再来年には東京都大会に出場出来るであろう。

山下塾では終わりに全員で大声を出して論語の素読をやる。人前で大きい声で発言できることを身に付けてもらいたいからである。〆に素読を、と構えたら塾生から思いがけない贈り物をもらった。3月に塾生OBOGが音頭を取り、保護者を含め60数名が集まり傘寿のお祝いをしてくれた。祝宴が夜にかかるため小さい塾生には呼びかけなかった。誰の発案かわからないが参加できなかった塾生達が傘寿のお祝いカードを書いてくれた。幼稚園児、小学低学年の塾生が一所懸命に書いたのが分かる。はがき大の大きさの紙面に塾長はどんなふうに書くか次回に話すことにする。今日は靴の揃え方も注意した。囲碁だけでなく日常で気が付いたことを伝えるのは年を経た者の責務と心得ている。Uさんが碁盤を並べるのに手のカバンが邪魔になったのを見て、小2のK子くんはさりげなく父親のカバンを手に取った。言葉はなく、そぶりもないのに父親の気持ちを受け止めての動きである。教えるばかりではなく教わることも有る。
NPO法人囲碁文化継承の会の総会である。平成18年に千葉県から認証されたので10年活動を続けていることになる。10年続ければ偉大なり、20年続けば畏るべし、30年歴史となる、と言う諺があるがNPO法人として一人前になったと言えるのであろう。囲碁指導した人数は5000人を越え、指導先で必ず持ち帰ってもらっている9路の紙碁盤も5千枚を超えている。資金源としては毎年の会員の会費とJFE21世紀財団からの協賛金、年度毎に申請して採択された助成金で賄っている。会員には指導に行ったときの交通費補助としてわずかな金額を支払っている。どんな法人?と聞かれるときには「囲碁を指導することに意義を持っている人の集まりです」と答えている。AI囲碁、井山さんの七冠達成、と囲碁の認識が高まっっているので久々訪れたチャンスである、それぞれの持ち場で力を発揮しよう、と会員一同気持ちを新たにした。20年続けば畏るべし、に向けて歩み出した。
昼火事(ベランダから)

これまで2回囲碁フォーカスの取材の申し出があった。囲碁山下塾、囲碁寺子屋についてである。どうぞと言っていたが実現はしていない。今回はこれまでと違う企画会社からのもである。電話で何回か話し、子供に教えているところが良い、と言うことになった。幼稚園、小中学校とあるが幼稚園にした。囲碁指導を10年以上続けている三つの幼稚園のうち園児と保護者の指導が同じ日に行える船橋幼稚園に決めた。同じ日に子供と大人を撮るため園児3クラスは各15分、大人は45分といつもより短い指導である。3時間近くの取材であったが、「囲碁に感謝を込めて普及活動」のタイトルでどんな映像が流れるか放映される5月22日が楽しみである。

昭和学院小囲碁クラブの初日である。この学校の囲碁クラブの指導をして3年目になるが、3年続けている生徒が5人いる。皆いくつものクラブを経験したいので毎年変わるのが殆どである。3年続けるのは囲碁クラブだけだろうと担任の先生は驚いている。囲碁アフタースクールから入った生徒もいるので12名中11名は顔なじみである。一人だけ囲碁が初めての生徒には別メニューの通信講座をすることにした。今年千葉県から全国大会に出場できるのは昨年より1校減り2校と決まった。6月26日の団体戦まで棋力を上げるには相当な努力が必要である。今年は12名なので個人指導するには丁度良い人数である。6月までは指導対局中心の指導をすることとする。
若松幼稚園の3回目。今回から地の多いほうが勝ちのルールで教えることにした。まだアタリがしっかりわからない園児がいるので早いかと思ったが、6路盤での指導でやってみると地の概念は分かりやすいようだ。これなら次々回くらいには9路盤での対局に進めるようである。珍しく午後に船橋幼稚園の指導が入っている。こちらは第一回であるが、帰りの時間の関係で15分の授業である。マナー、ルールを説明しているとあっという間で、園児たちの対局時間切れとなってしまった。それでも三つのクラスの雰囲気はつかめた。幼稚園での指導で一番大切なのはクラスの雰囲気をつかむことである。クラスのどの子に囲碁って面白い、と感じてもらうのかが大切である。これは15分でも掴むことができる。

棋聖戦が棋界最高位のタイトルであるように就位式も最高の場所帝国ホテルである。前日の十段戦で七冠になっていたらどれほどの盛り上がりであったろうか。挨拶、祝辞は七冠にふれた者であった。井山さんの挨拶は前から準備したものでなく将棋の羽生さんの祝辞を受けてのユーモアのあるものであった。簡にして要を得たものである。七冠にも触れていたので気合は入っていると感じた。来週の第4戦で決めるのでは、と期待される。井山さんの七冠にならなかったのがNHKの夜のニュースに流れるくらいなので七冠達成されたらどんな騒ぎになるか楽しみである。「ヒカルの碁」以来、囲碁が脚光を浴びる時代の訪れである。

ドワンゴ会長の川上量生さんがアルファ碁を超える囲碁ソフトを開発すると発表したニュースはうれしい。GOOGLEに対抗してデイープラーニング開発環境、サーバー環境を用意して凌駕してほしい。囲碁ソフトは「ZEN」を使用するとある。最強ソフトのもう一つはフランス人レミさん作成の「crazystone」である。後輩の高木君からレミさんが帰国する前に「crazystone」と打ってみないかと話が来た。アルファ碁以来AI囲碁について興味津々なので願ってもないことで、慶應キャンパスの萬来舎で対局が実現した。最強の囲碁「crazystone)は前に買ってあったが殆ど使っていなかったので前日トレーニングをしておいた。AI囲碁とは布石で手厚く打たないと自分のペースになれないと分かっていたが序盤の劫材の判断ミスで薄い碁にしてしまった。何度か勝負になったかと思うことも有ったが冷静な着手の連続で完敗となった。囲碁ソフトはこの1年で2目強くなったと言われる。レミさんとは来年の再会を約した。囲碁ソフトにアマが勝つには今年が最後と言われたが来年の再挑戦に向けて囲碁の時間を増やすこととした。

若松幼稚園の入園式に招待された。毎年入園式では初めての集団生活で親と離れて座っているだけで不安になるのか泣いている子が何人もいる。今年はなぜか殆どいなかった。幼稚園の園長に言わせるとそれで安心な訳ではないらしい。園長の挨拶では何事もすぐに相談するように、と言っていた。今年の来賓祝辞ではK元県議の挨拶が良かった。3歳児が人の話を聞くわけではないが、注目させるにはどうしたらよいかを心がけて話さなくてはいけない。しかも保護者向けの話も簡潔に、且つ内容が無ければいけない。Kさんはて幼稚園内外から応援しているので安心して任せるように、と話していた。Kさんに、入園式の挨拶は難しいがとても良かった、と伝えておいた。

八千代台西中学校では日本の伝統文化を学ばせる趣旨で3年生に囲碁、将棋、能楽、書道、料理、絵手紙等、外部講師を招いて実施する正規の選択授業が10年近く続いていた。昨年の終了時に来年もお願いします、と言われていたので継続すると思っていたところ新任校長から今年は生徒数が多いので外部講師による授業は中止する、と連絡が来た。囲碁授業に申し込む生徒は毎年30数名居る。1時限45分、約7か月間で12回の囲碁授業で全員参加の囲碁大会ができるほど上達する。学校側に事情はあるにせよ中止は誠に残念である。寄贈した囲碁盤石と指導用の磁石大碁盤を引き上げなくてなならない。

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