神明幼稚園では園長が囲碁の時間に立ち会ってくれる。教室に入ると園児が大きな声で「おはようございます、よろしくお願いします」と挨拶をしてくれる。すかさず園長が「囲碁を楽しみにしていた人!」、と言うとみな「ハイ」と手を上げる。囲碁はむずかしい、わからない、と思っている子がいるに相違ないが、手をあげると「楽しい」と思えてくるもので、園長がある種の刷り込みをしてくれているわけである。囲碁はどんな風に頭を使って打つのか、園長の理解がすすんできた。これまでは石取りゲームから学期の終わりに本式ルールの指導をしてきた。幼児教育の中で頭の使い方、数字の数え方まで含めた囲碁指導のカリキュラムを、園長と相談して決めてみたい。

薬円台小学校囲碁部員は、今年は少なく8名である。昨年からの部員もいるので残り3回の指導日に総当りのリーグ戦をやることにした。小学校囲碁部での個人戦は始めてである。一試合20分しか取れないので、終局まで打てるのが半分であとは判定になる。形勢がはっきりしている場合は対局者双方の意見は一致する。意見が違う時はじゃんけんで決めさせる。S君は4回のうち3回がじゃんけんになり3回とも負けてしまった。4連敗ではあるが、3回はじゃんけんで負けたので悔しさも薄まるかもしれない。他方H君は勝ちたい気持ちが強く出る子である。3連勝同士の対戦で勝っていると思ったら僅差で負けてしまった。初級の子はまだ勝負に慣れていないので、負けた悔しさはあまり表情に出ない。子供に囲碁を教えていて負けて悔しがる子を見ると頼もしくなる。大人に混じって麻雀をし、負けて悔し涙が自然に出てきた小学校時代の自分に重ね合わせているからかもしれない。廊下でH君に「君は強くなるぞ」と声をかけて帰った。

船橋幼稚園の囲碁指導新年初日である。教室に入るときは、テンションあげて「おめでとう!!」と言って入る。そして「お年玉もらった」と聞いた。すると口々に金額を言う。2000円から数万円と幅がある。父母、祖父母が多いが、お父さんイトコからもらったと言う園児もいた。こんな風にいきなり囲碁の話をしないで幼稚園児の興味のあることを話してから指導すると、みなこちらの話を聞いてくれるから面白い。ハイテンションのまま、2時間余4クラスを指導し終わると、フーという感じだ。助手を買って出てくれた愛さんの存在が有難い。

子供のころから囲碁の縁でつながっているS君は慶大囲碁部の後輩でもある。教職の道に進み、若くして法学部准教授になった。法学者として必然の道としてドイツに留学することが決まった。一昨年INGO(ingo-web)で縁ができたドイツの若者G君が日本に観光に来た。慶應の囲碁関係者が都内、鎌倉、箱根と観光案内した。彼はフルト市の囲碁会会長である。フルト市はS君の留学先から特急で1時間の距離である。両君を紹介することにしているが、親日家のG君は、S君とは年代も近く囲碁の趣味も一致していることから、二人にとり良き縁の広がりになると確信している。

平成25年度の習志野市立屋敷小学校囲碁部活動は6回である。残り2回は囲碁大会とした。1時間4回で大会はいささか無理だが、前年からの部員もいるので形にはなるだろう。それに何よりも、この日は3年生がどの部活をやるか、すべての部活を見学する日である。次年度にもつなぎたいので、真剣に囲碁対局をしている姿を見てもらいたい。団体戦でチームの勝利にかかわるとなると、いつもより真剣に対局する。その分勝った喜びと負けた悔しさは大きい。団体戦の面白さと勝ち負けの面白さを感じ取ってもらうには、大会が一番である。

小学校1年生から囲碁指導しているクラスが5年生になり、持ち上がりで5年間担任をしている先生がめでたく懐妊され、1月で産休を取ることになった。2時間の授業時間をもらったので、「安産記念囲碁大会」を催した。1チーム8人を4チームつくり3回戦戦う。チーム分け、表彰を考えると1試合20分しか取れない。13路盤なので勝負がつく組み合わせはあるが、判定にすることが多い。ほとんどは「どちらの地が多い?」と聞くと二人の意見は一致する。形成が不明なときはジャンケンで決める。1位から4位まで決め、順位の上から賞品を選ばせる。「真剣に対局したので、先生の安産は間違いなし」と大会を締めくくった。

若松幼稚園では来月からの囲碁指導は年中組となる。今日が年長組の最後の指導である。幼稚園に着いたら、指導用の磁石大碁盤を忘れてきたことに気づいた。本式のルールで指導しているので、白板に貼りつけて解説する大碁盤は必要である。急遽、紙に線を引いて9路盤をこしらえた。教室に入ると園児が「何で今日は碁盤が違うの?」と聞いてくる。「なぜだと思う?」「お正月だから新しくしたの?」「やさしい気持ちありがとう、本当は忘れたの!」1年の付き合いで気持ちが通い合っている。年中組の囲碁指導が始まるのを期に、新年度の母親囲碁教室の参加者募集の案内文が配られる。「家庭で囲碁を」が定着しそうである。

今年初めての山下塾である。新年にあたり塾生に「身体が伸びているように、今の年代は体だけでなく頭も心も成長する時期である。囲碁だけでなく家族とのこと、友達とのこと、勉強のことに力いっぱい努力するよう希望する」と話した。打ち初めとして7名づつの連碁とした。一人2手、秒読みをしなかったので1時間半で76手までしか進まなかった。途中何回か皆に次の一手を考えさせ発表させる。子供の連碁では手空きの子供がざわつくことが多いが、今日は真剣に向かっている。気分を引き継ぎ後半の個人の対局でも、みな集中して対局している。塾生が提出した今年の囲碁の目標を全員達成し、囲碁から感動を受けてくれるであろう。
15級から6段までの連碁

1月5日が囲碁の日と日本棋院が制定した。1と5のイゴと語呂合わせで覚えやすいかもしれないが、はたして定着するのであろうか。将棋のほうは将棋の日を11月17日に定め、今年で39回目となっている。一流棋士が全国を巡り、イベントを行う。その様子は、NHKのEテレで放映されている。11月17日は、江戸城内でお城碁を打ち、かつ将棋を指す日なので、文化的歴史的に意味のある日である。将棋の日を先に決められたので、同じ日を囲碁の日には出来ないのだろう。1月5日は、打ち初め式としてイベントがあったが、このイベントだけでは囲碁の日の広がりはむずかしかろう。正月早々でイベントは組みにくいだろうが、日本棋院が制定したからには、囲碁ファンとこれからの囲碁ファンのために智慧を出してほしいものだ。

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